2011年08月29日

自閉症児をもつ家族のためのセカンドハウス (2)

さて、それでは、私が娘と家族のためにセカンドハウスを手に入れようと考えるにいたった「ある事件」と、その後の購入までの経緯について書いていきたいと思います。

我が家では、娘に障害があると分かって以降も、積極的に外出・外食・外泊をするように心がけていました。それが子どもにとっての社会的な経験にもなると思っていたし、家族のリフレッシュにもつながると思っていたからです。

それに、子どもに障害あるからといって、「我慢しすぎる」人生を送る必要なんてない、という信念もありました。
その信念を現実として続けていくために、できるだけの創意工夫、場合によっては投資をやっていかなければならない、と考えていたわけです。

そんななか、2005年の秋、娘が3歳のときに本格的な2泊3日の箱根旅行に初めて挑戦しました。(記事
このときは、娘は基本的に機嫌がよく(というか、まだ状況がよく分かっておらず「なされるがまま」だったのだと思いますが)、旅行は大きなトラブルもなく無事に終わりました。



それに味をしめて(?)、娘が4歳になったばかりの2006年の夏に、今度は山中湖に2泊3日の旅行に行った(記事)のですが、このときは前回とはまったく状況が違っていました

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posted by そらパパ at 20:38| Comment(3) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2011年08月22日

自閉症児をもつ家族のためのセカンドハウス(1)

このエントリは、もう何年も前からいつか書こうと温めていましたが、タイミング等を逸してずっとお蔵入りになっていたシリーズ記事です。
ただ、その後、子育て・療育を続けてきて、ここで取り上げようとしている「我が家の選択」が、我が家にとって間違いなく意義のあるものだったと確信するに至ったので、書いてみることにしました。

具体的に言ってしまうと、「通常の旅行が難しい、障害ある子どもと家族が安心して利用できる『旅の拠点』として、セカンドハウスを買いました」というお話です。

我が家では、2006年の年末、娘が4歳の頃に、富士五湖エリアに中古マンションを買いました。主としてセカンドハウスのニーズに応える、いわゆる「リゾートマンション」と呼ばれるものです。
バブルの頃に大量に建築されたリゾートマンションは、誰も住まなくなってスラム化しているものもありますが、いい状態で管理され、定住者がいるような良好な物件も、探せば見つかります。
そういった中古物件のなかから、交通の便がよく、娘がパニックを起こしても迷惑になりにくい部屋(要は階下に居室がない)で手ごろな値段のものを見つけて、ローン購入しました。
そして、いまでもそれを手放さずに持ち続けて、利用しています。



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2011年08月15日

殿堂入りおすすめ本・まとめて再レビュー(15)

過去に「殿堂入り」として強くおすすめした本を、現在の視点から改めてレビューしつつ、まとめなおすシリーズ記事の15回目です。
今回からは、ABA以外の療育法について書かれた本のご紹介です。

3.その他の療育法についての本

<殿堂入りおすすめ本>


発達障害のある子とお母さん・先生のための思いっきり支援ツール―ポジティブにいこう!
武蔵 博文・高畑 庄蔵
エンパワメント研究所(過去のレビュー記事

ABAの「殿堂入りおすすめ本」の次がいきなり「その他の療育法」になっている、ということでお分かりのとおり、実は当ブログではTEACCHに直接関係する本で「殿堂入り」にしている本がありません
これは、こちらの記事のコメント欄でも議論されているとおり、TEACCHというものが、療育の体系としては必ずしも整備されておらず、そのために、決定版と呼べるほどの本が出ていないという事情があります。

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2011年08月08日

大震災 自閉っこ家族のサバイバル(ブックレビュー)

ぶどう社さんより献本御礼。

【送料無料】大震災自閉っこ家...
価格:1,680円(税込、送料別)


(左は楽天BOOKS、左はAmazon)

大震災 自閉っこ家族のサバイバル
著:高橋 みかわ
ぶどう社

1章 ライフラインのとまった街で
 我が家の3・11——あのときなにがあったか  高橋みかわ

2章 ブログとメールでつながりあった——「みかわ屋通信」の1カ月

3章 津波に襲われた街で
 家は浸水したけど、家族で一緒に暮らせるなら  浅野雅子
 震災は障害を軽く超えた!って感じ  及川恵美

4章 地域の避難所で
 中学校で、娘の頑張りとみなさんの理解で  三浦由里香
 支援学校で、息子に寄り添い続けて  あるお母さんに聞く
 学校を避難所としてひらいた先生たち  石巻支援学校の先生方に聞く


ぶどう社より、知的障害を伴う自閉症のお子さんとその家族が、東日本大震災をどのように乗り切ったかの体験談を集めた本が緊急出版されました。(これまでにない最速のスピードでの出版ということらしいです。)
ちなみに、著者の印税の一部およびぶどう社の収益の一部は、義捐金として寄付されるとのことです。

著者の高橋みかわさんは、仙台市在住の、重い知的障害を伴う自閉症の息子さん(21歳)のお母さんです。
本書の第1章では、そんな著者の被災後のサバイバル生活が日記風に記述されます。やはり避難所生活は厳しいだろうということで、自宅マンションでの生活を選択した家族が、すべてのライフラインが途絶した震災直後から、徐々に普段の生活を取り戻していくまでの過程と、そのなかで自閉症の息子がどのように「普段とまったく違う生活、環境」を乗り越えていったか(乗り越えられるような支援を行なったか)が活き活きと描かれます。

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2011年08月04日

続・SIGMA 70-300mm F4-5.6 DG MACROを全域マクロに改造する

またまた、療育とは直接関係のない趣味の話題です。

先日、オークションで安く落札した「SIGMA 70-300mm F4-5.6 DG MACRO」というレンズを全域マクロに改造し、このレンズの性能が非常に高いため常用レンズとして愛用していたのですが、実家に帰省中に使っていてあえなく壊れました。

壊れた原因は改造ではなく、このレンズ特有の弱点である、AFを動かすギアが欠けるという経年劣化によるものです。(このタイプのレンズをたくさん分解して、どういう状況でどんな風に壊れるかをよく知っていたので、壊れた瞬間に「ああ、これは例のアレだ」とすぐ分かってしまいました(^^;))

さて、こうなると、あとは以前に改造した古いレンズ(やや性能が低い)を改めて使うか、あるいは以前に新品で買ってそのままにしてある同じシグマのDG MACROを改造してしまうか、どちらかなのですが、今回は思い切って新品レンズを改造してしまうことにしました。

前回改造したのは、「DG MACRO」の1つ前の型でした。今回は現行品ということでマイナーチェンジが予想されますが、結論から先に言うと、作業そのものはほとんど同じでした。
一応、今回の作業写真をアップしておきますが、やっている作業は前回とほぼ同じです。

※以下、改造方法についての記述が続きますが、レンズの改造はあくまで自己責任でお願いします。


新品で買ったレンズなので、当然箱に入ってます。「α55/33対応」のシールが現行品の証。


↑今回の改造の対象はこちら。ソニーα用レンズです。他のマウント用の場合レンズ内モーターやクリックボールの有無などで違いがあるはず。

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posted by そらパパ at 21:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑記 | 更新情報をチェックする

2011年08月01日

殿堂入りおすすめ本・まとめて再レビュー(14)

過去に「殿堂入り」として強くおすすめした本を、現在の視点から改めてレビューしつつ、まとめなおすシリーズ記事の14回目です。
今回は、「ABA(応用行動分析)」に関連する本のなかで、おすすめではなくて逆に「読むのに注意が必要なタイプの本」について書いてみたいと思います。

2.ABA(応用行動分析)・行動療法についての本(続き)

<読むのに注意が必要な本>




わが子よ、声を聞かせて―自閉症と闘った母と子
キャサリン・モーリス
NHK出版(過去のレビュー記事

自閉症を克服する―行動分析で子どもの人生が変わる
リン・カーン ケーゲル、クレア ラゼブニック
NHK出版(過去のレビュー記事

あきらめないで!自閉症 幼児編
平岩 幹男
講談社(過去のレビュー記事

自閉症児の親を療育者にする教育―応用行動分析学による英国の実践と成果
ミッキー キーナン、カローラ ディレンバーガー、ケン・P. カー
二瓶社(過去のレビュー記事

ABAによる療育というのは基本的に「行動の制御・変容」を目指すものです。
つまり、ものすごく乱暴に言ってしまえば、なにか「望ましい行動パターン」みたいなものがあることを前提にして、それをゴールに設定し、子どもの行動を変えていこう、そういうアプローチなわけです。

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posted by そらパパ at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする
子どもが自閉症かもしれない!どうしよう!という親御さんへのアドバイスはこちら
孫が自閉症らしい、どうしたら?という祖父母の方へのアドバイスはこちら

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自閉症関連のブックレビューも多数掲載しています。

花風社・浅見淳子社長との経緯についてはこちらでまとめています。