2011年05月09日

殿堂入りおすすめ本・まとめて再レビュー(4)

過去に「殿堂入り」として、当ブログのブックレビューで高く評価した本を、現在の視点から改めてレビューしつつ、まとめなおすシリーズ記事、昨年の後半に第3回まで掲載してストップしていましたが、その続きということで、今回は第4回目になります。
(ちなみに、前回の記事はこちらになります)

今回は、「自閉症を知る」というカテゴリの本のうち、殿堂入りはさせていないものの、それに準ずる本としておすすめできる本のご紹介の続きです。

<おすすめできるその他の本>(続き)



親子アスペルガー―ちょっと脳のタイプが違います (レビュー記事

こちらはさらに最近レビューしたばかりの本ですね。
ご本人もアスペルガー症候群の当事者である親御さんが、2人のいずれもアスペルガー症候群のお子さんの子育てに奮闘する姿を綴った「当事者本」です。

この本の最大の特徴は、既に上記の短い説明のなかでも分かるとおり、当事者の方が、単に自分自身の過去や障害の特性を語るのではなく、同じ障害をもったお子さんを育てる経験について語っているという「当事者性の多重構造」にあるでしょう。

自分自身が障害によって苦労した経験と、その経験をふまえた「この世界」を見るまなざし。そして、いま現に自分の子どもが同じ障害によって苦労している現実、それを解決するためのさまざまな工夫、子どもたちに伝える当事者だからこそ言えるメッセージ。

そこには、単に「障害をもったお子さんの子育ての参考にもなる当事者本」という一般的な評価を超えて、「アスペルガー症候群の方が経験する世界観について生き生きと疑似体験できる、『異文化体験本』」という価値があると思います。

そういう意味で、アスペルガー症候群の当事者の方の書いた本ですが、知的障害を伴うような重い自閉症児の親御さんや支援者の方が読んでも得るところのある本だと思います。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 21:46| Comment(8) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする
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