それは、子どもに限らず、ヒト全般を見る=観察するときの「見るべきポイント」を常識的な位置からシフトさせる=ずらす、という点にあります。
私たちは、他人を観察するとき、何よりまず「内面の動き」を第一に考え、内面の状態とその変化が、行動となって現われているという風に考える傾向があります。
このような、「人はいろいろなことを考えたり感じたりする『内面』があって、行動というのはその内面の動きが現われたものである。だから、人と接するときには、その人がどんなことを考え、感じているのか、あるいはどんな信念を持っているのか(つまり「内面の動き」)をそのときそのときで推測し、その『内面』に働きかけるのがいい」という考えかた、人との接し方を、ここでは「内面モデル」と呼ぶことにします。
こういった「内面モデル」は、日常生活のなかで人間関係を円滑に処理するためには有用であることが多いでしょう。
だからこそ私たちはそういう考えかたを身に着けているわけです。
ですが、社会とのかかわり方それ自体に困難を抱える自閉症のお子さんとかかわるときや、特に難しいビジネス上での人材活用・交渉ごとにおいては、あまり役に立たないことが多いと言えます。
なぜでしょうか?
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