2010年03月30日

井上雅彦先生の、期待のABA新刊!

なんか、花風社の近刊の話題ばかりが出ていますが、記事をお読みいただければ分かるとおり、私自身はこの本に期待しているわけではありません

ですから、この本の話題ばかりがブログのトップにあるのは私としても(期待度とのバランスからいって)気持ち悪いので、私がいま注目している、期待の新刊についてご紹介しておきます。

http://aba.jugem.jp/?eid=574
「家庭で無理なくできる」の続編

当ブログ殿堂入りしている、井上雅彦先生の「家庭で無理なく楽しくできる生活・学習課題46」の続編、「家庭で無理なく楽しくできるコミュニケーション課題30 自閉症の子どものためのABA基本プログラム2」が、4月に刊行される予定だそうです。


↑こちらが新刊です!

既に出ている1冊めは、家庭でのABA療育入門の決定版ともいえるもので、「ハードなトレーニング」という印象をもたれがちなABA療育を「家族が楽しんでやるものです」と明確に再定義し、具体的にそのやり方をアドバイスする画期的な内容でした。

2冊目の「コミュニケーション編」は、つみきの会の藤坂氏との共著ということで、もしかすると「ハードなトレーニング」色が若干強まるのかな?という心配もありますが、ABAによるコミュニケーション療育を体系的に(しかも家庭療育レベルで)まとめた入門書というのはあまり見たことがないので、とても期待できそうです。

この本については、リリースされたら絶対にレビュー記事を書こうと思っていますので、よろしくお願いします!


↑こちらは既刊の「生活・学習課題」編。当ブログ殿堂入り。(レビュー記事
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2010年03月29日

自閉症「療育」と精神医療、あるいは療育におけるメタ議論について

先日の件、某社の下ろした「推理イベント」の釣り針に軽く釣られただけのはずが、Twitter上で大きな論議を巻き起こす展開になりました。そんな中で私自身の考えたことを、Twitterのように「流転する」メディアではなく、こちらのブログで整理しておこうと思います。

今回の件でどのようなやりとりがあったかについては、以下のまとめを参照ください。
これは、Twitterのタイムラインを擬似的に再現したもので、対話が分かりやすくなるよう、時系列は入れ替えてあります。また、私が編集したものである、という意味において発言の取捨選択には漏れや恣意性があることを予めお断りしておきます。また、先日の記事もあわせて参照いただければさらに理解が深まると思います。

http://togetter.com/li/10992
大大大博士こと神田橋條治氏とEBM、発達障害

ただし、このまとめは事実上25日(26日深夜)までの議論しか追いかけられていません。
実際には26日以降も主に精神科医の皆さんを中心に熱い議論が闘わされており、そこでの主たる議題は「精神医療とEBM(の適合性、限界、の外側、等)」といったものであったと理解しています。

さて、今回の件について改めて感じたのは、そもそも私の「自閉症への働きかけ」についての立ち位置が、発達障害にかかわっていらっしゃる精神科医の皆さんとは少し(かなり?)違うんだな、ということです。

続きがあります・・・
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2010年03月23日

今日のTwitterでのつぶやき(大大大博士こと神田橋條治氏について)

今日のTwitterでは、いま一部自閉症療育界隈で話題の、ある人物が誰かについての推理で盛り上がりました。

こちらのまとめで、私の発言が読めます。(相手のあるやりとりが多いので、私の発言だけだとちょっと読みづらいですね。すみません。発言相手のタイムラインも合わせて見ると、より深く読めると思います。)
3月23日の発言の、12:48以降のつぶやきをご覧ください。(下から上に読むと、時系列に読めます。)


3/25更新:Togetterでまとめを作りました。下記のまとめを読んでいただければ、ここ数日のTwitterでのスリリングな謎解きとディスカッションを疑似体験していただけると思います。
Togetterまとめ - 大大大博士こと神田橋條治氏とEBM、発達障害


一応、関連するリンクだけこちらにはっておきます。

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/4511/o9kandabasi.htm
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/4511/haruukon-2.htm
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/4511/furassybaku.htm
http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/psycho/1082734552/

最後に:推理の部分については、あくまでも「推測」「憶測」であって、それ以上のものではありません。
そういう当たり外れの話というよりは、単純に、発達障害についてこういう考えをお持ちの(率直に言って、ちょっと変わった)先生がいらっしゃる、そういう他愛のない話題としてお読みいただいたほうが安全だと思います。


3/24追記本日の某エントリで、今回の推理が当たっていたことが判明しました。エントリを読む限り隠すおつもりもないようなので、これまであえてぼかして書いていたことも含めて整理しておきます。

・今回「推理」していたのは、花風社の浅見氏のブログに度々登場し、近々同社から本が出るという「大大大博士」のことでした。
・その「大大大博士」とは、精神科医の「神田橋條治」氏であるということが判明しました。
・神田橋氏は精神医学界では天才肌のカリスマとして著名であるようで、主な著作として「コツ三部作」などがあるそうです。
・その神田橋氏は、最近は発達障害にも活動範囲を拡大されているそうで、その延長線上に今回の花風社のお話があるのでしょう。
・発達障害に対する神田橋氏のアプローチがどのようなものであるかは、こちらでかなり詳細に読むことができます。
・その内容をみると、少なくとも言語化された内容としては、神田橋氏の発達障害へのアプローチはオカルトであると断言できそうです。以下のような話題のオンパレードで、「正統な」話はほとんど出てきません。
 ・小脳の邪気
 ・Oリングテスト
 ・重金属の排出(キレーション)
 ・健康食品(ウコンなど)
 ・気功
 ・後光を放つ
 ・脳生理学とは関係ない脳理論  など
僕は長年、地球環境の悪化によって、生物が害をこうむるときには、最新に進化したものが滅びるから、まず人類が滅びるだろう、人類が滅びる場合には、人類の能力中でもっとも進化した部分である脳からやられるはずだと思ってました。そうでなければ素敵じゃない。素敵とは、つじつまが合うと素敵でしょ?そうおもってましたんで、やぁ、いよいよ(発達障害が)出てきたかと思いました。これは増えるぞと。

自閉症の子どもは、ほぼ100%、小脳に邪気があります。

そしてお願いするのは、邪気が見えない人にはできんかな、何か小脳の邪気を取るような、たぶん薬じゃないと思いますが、健康食品か何かを、誰か見つけてください。

・別の講演のなかで、フラッシュバックへの薬剤療法として「桂枝加勺薬湯」と「四物湯」をあわせて処方するアイデアを披露されているようです。
・そして、自閉症のパニックの多くもフラッシュバックによるものだとして同じ漢方処方を提案されており、それが「こころの科学」最新号で杉山登志郎氏によって紹介されています。(先のブログで「オリエンタルな自傷への対応」と呼ばれていたのは、これだった模様です。)

・今回の本がどのようなものになるか分かりませんが、印象としては、自らが行なっている「天才的な(評価が事実だったと想定して)治療」を、明確に言語化するのではなく、ある種のオカルト的な表現で「非言語化」したままにしているのではないか、と感じています。
・だとすれば、もしかすると(そういう非言語化されたままの職人芸を読み解くことができるような専門家ではなく)一般の人が読んで参考になる部分は非常に少なく、むしろ「オカルトをまじめに受け止めてしまう」という弊害ばかりが前に出てくる可能性もあると思います。
・ともあれ、なかなか興味深い本が出そうだということは分かりましたので、楽しみに待ちたいと思います。(Twitterの自閉症・発達障害クラスタの盛り上がりをみると、この本の書評をアップする人はけっこういらっしゃるんじゃないかと思います。私も、手に取る機会があればレビューを書きたいと思います。)

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2010年03月22日

そらまめ式電子タイマー・マルチランプ64の話題(7)(部品調達編)

自閉症児の時間の構造化・視覚支援のための、LED(発光ダイオード)を使った電子タイマーを自作してしまおう、という企画のシリーズ記事です。(アップするのは久しぶりですが)

現在、電子タイマーの製作キットをご希望の方にお配りしています。興味をもっていただいた方は、ぜひそちらもご覧ください。


↑このシリーズ記事でとりあげている自作の電子タイマーです。(動画は古いもので、現在のキットはこれよりはるかに機能豊富になっています。)

電子タイマー頒布案内
↑この電子タイマーの回路図等の情報と、「製作キット」の頒布についての情報はこちらです。

今回はちょっと専門的な話題になりますが、この電子タイマーを、お配りしている製作キットを入手するのではなく、自分で部品を調達して製作する際に考慮すべき点について書いておきたいと思います。

ちなみに、電子タイマーの回路についての情報は、こちらにあります。

現在の製作キットのなかには、販売元が在庫限りとして売っているものもあり(その最たるものが「マトリックスLED」です)、いずれ在庫切れとなってキット配布を中止せざるを得なくなる可能性もありますが、その際、別のパーツで自作する場合にもこの記事が参考になると思います。


続きがあります・・・
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2010年03月18日

いちばん簡単なPC自作 番外編(激安マシン)

先日来の記事では、8~10万円くらいの予算で自作PCを組んでいますが、「自作の割に高いんじゃないか」という印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

実際、それなりに贅沢な(将来の拡張性などの観点で)パーツを選んでいるのでこの値段になっているのですが、少し視点を変えて、自作PCをとにかく安く組む(ただし将来性もある程度確保)とすれば、どのくらいで組めるか?を考えてみました。
ちなみに、安さを追求する場合はCPUをAMD製にするのが王道なのですが、最近AMDで組んだことがないので、慣れ親しんだIntelで組みます。

1. ケース、電源


とにかく安いのを探せば、5000円くらいで電源つきのものはたくさんあります。

続きがあります・・・
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2010年03月15日

自閉症スペクトラムの子どもへの感覚・運動アプローチ入門(ブックレビュー)

うまく使うなら、まずまずいい本です。私も買いました。


自閉症スペクトラムの子どもへの感覚・運動アプローチ入門
著:岩永 竜一郎
東京書籍

感覚処理とは
自閉症スペクトラム児の感覚調整障害
自閉症スペクトラム児の感覚識別機能の問題
自閉症スペクトラム児の運動面の問題
感覚・運動面のアセスメント
感覚処理障害のアセスメントから支援計画までの流れ
感覚識別の問題と姿勢運動・プラクシスの問題に対する感覚統合療法
感覚調整障害に対する訓練室でのアプローチ
感覚調整障害のある人の生活支援
感覚統合療法の効果
体性感覚刺激を使ったコミュニケーション指導
身体への感覚刺激を好子(正の強化子)として用いる
特別支援教育における感覚処理障害への理解と対応
学校の中での感覚統合指導
医療行為における感覚面への配慮―歯科治療における配慮
まず以下のレビューの前提として、私は感覚統合について、「理論そのものは信用できない。療法についてもEBM的には有効でない可能性のほうが高そうだ。ただ、自閉症の人の感覚上の問題に着目している視点は評価できるし、実践面には実用性(感覚上の問題への対症療法的として安心感を与えたり、障害が重く反応性が弱い子どもに適した遊びを提供するなど)もあるので、実践のヒントとして知っておくのは悪くない」といった評価をもっています。

感覚統合療法へのEBM的評価としては、ネットで閲覧できる日本語のものとして、「オーストラリア自閉症早期療育エビデンス・レビュー(2006)」があります(こちらのエビデンスレビューでの感覚統合療法の有効性への評価を、このエントリの最後に引用しました)。

さて、岩永氏といえば、花風社の「続・自閉っ子、こういう風にできてます!」や「続々・自閉っ子、こういう風にできてます!」で登場する「感覚統合療法のスゴイ先生」として有名になりましたが、私は、これらの本をかなり低く評価しています(リンク先のブックレビューを参照ください)。

これらの花風社の本では、岩永氏は「ニキさんの/藤家さんの問題はなんですか?」と聞かれて「前庭覚の調整が・・・」とか「固有受容覚が・・・」といった謎めいた「感覚統合用語」で断定的に診断したり、あらゆる自閉症の問題を感覚統合理論で「解釈」する(しかもそれが「解釈」ではなく「事実」であるかのようなニュアンスで語られる)、「感覚統合で自閉症の問題をバリバリ解釈し、解決するスーパーマン」のように描かれています。
過去に書いたブックレビューを読んでいただければ分かるように、これは漠然とした「印象」ではなく、本の記述として、実際にそういう断定的なニュアンスで発言していることになっています。

ですので、この本も最初に手にとったときには、「感覚統合に心酔している先生が、ひたすら感覚統合理論を振りかざす本なのかなあ」と思っていたのですが、実際に読んでみて、その点についての印象は180度変わりました。
そこに現われていたのは、上記の花風社の本での印象とはまったく異なる「謙虚でEBM志向な」岩永氏の姿でした


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2010年03月11日

いちばん簡単なPC自作(4)

思いのほか好評だったため、シリーズ記事として書かせていただいている「PC自作」の話題、今回で「ハードウェアの組み立て」が終わります。

マザーボードのケースへのインストールが終わったら、今度はHDD(ハードディスクドライブ)と光学ドライブ(DVDマルチドライブや、Blu-Rayディスクドライブ)を組み込みます。

今回は、どちらも「SATA(シリアル・エーティーエー)」方式のものを購入しているはずですので、設定は何もなく、ただつなぐだけです。
それぞれのドライブの背面を見ると、左側に「ちょっと長いL字型のコネクタ」、右側に「短いL字型のコネクタ」があると思います。


↑SATA方式のドライブの背面です。

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2010年03月08日

ライブ・自閉症の認知システム (10)

このシリーズ記事は、先日、石川にて行なわせていただいた講演の内容を、ダイジェストかつ再構成してお届けするものです。


Slide 11 : 環境との相互作用モデル:自閉症の場合(図)


Slide 12 : 一般化障害仮説

さて、それでは、このモデルを自閉症にあてはめると一体どうなるのか、今後はそれを見てみましょう。
自閉症の人は、このモデルのなかで、「一般化処理」の部分の能力が、「抽出処理」と比較して弱くなってしまっているのではないか、と私は考えています
先ほどもいくつか例をあげてご説明しましたが、こう考えると、さまざまな自閉症の問題を、うまくまとめて説明できるんじゃないかと思っているのです。

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2010年03月04日

いちばん簡単なPC自作(3)

2.本組み STEP1

仮組みでの起動に成功したら、いよいよ本組みに入ります。

※仮組みで成功しない場合、本組みをしても意味がありませんので問題を洗い出してください。よくある問題としては、

・メモリの相性
 2本あるメモリを、それぞれ1本だけにしてみます。どちらか1本で動いたら、動かないほうのメモリに相性問題が発生しています。
 購入時に「相性問題保障」をつけた場合は交換できます(2本が同じものになるように交換する)。そうでない場合は、仕方ないのでメモリ1本で運用するか、改めてメモリ2枚を買って(同じもの2本でないとうまく動かないので)、最初に買った2枚は「相性問題発生」と明記したうえでオークション等で処分すればいいでしょう。


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2010年03月01日

ライブ・自閉症の認知システム (9)

このシリーズ記事は、先日、石川にて行なわせていただいた講演の内容を、ダイジェストかつ再構成してお届けするものです。

page09.gif
Slide 9 : 環境との相互作用モデル(図)

page10.gif
Slide 10 : 環境との相互作用モデル:キーワード

かなり話が込み入ってきましたので、ここで、いまお話ししたことを図に表してみます。
この図を見ながら、私たちと自閉症の人の認知システムがどう違うと考えられるのかについて、もう少し詳しくみていきましょう。

さて、この図は、私たちが身の回りの環境とどのように関わり、その経験をどのように知識として蓄えていくのか、ということについてのモデルです。
自閉症の人のモデルではなくて、私たち自身のモデルだというところを間違えないようにしてください。また、「モデル」であって、脳のなかが物理的にこんな風に分かれているということでもない、ということにご注意ください。このモデルは、あくまでも脳の情報処理のしくみを分かりやすく説明するための便宜的なものです。
図の上のほうが私たちの脳やからだを表していて、下のほうが私たちがかかわる外の世界、つまり「環境」を表しています。

続きがあります・・・
posted by そらパパ at 20:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 理論・知見 | 更新情報をチェックする
子どもが自閉症かもしれない!どうしよう!という親御さんへのアドバイスはこちら
孫が自閉症らしい、どうしたら?という祖父母の方へのアドバイスはこちら

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自閉症関連のブックレビューも多数掲載しています。

花風社・浅見淳子社長との経緯についてはこちらでまとめています。