2009年11月30日

ライブ・自閉症の認知システム (2)

このシリーズ記事は、先日、石川にて行なわせていただいた講演の内容を、ダイジェストかつ再構成してお届けするものです。


Slide 4 : 「心理学」の誤解を解く

自閉症についてお話しする前に、「こころ」と心理学について、しばらくお話ししたいと思います。

というのも、自閉症という障害がなぜやっかいかというと、いわゆる「こころ」に関する障害だからだ、というところが大きいからです。
自閉症は、目に見える体の障害でもないし、外から見て分かるような形で脳が損傷しているわけでもありません。
その人の中にある、目に見えない「なにか」がうまく働いていない、そういう障害なわけです。
そして、実際に働きかけるときも、その目に見えない「なにか」を意識して、それを支援したり伸ばしたりしていくことになるわけです。

この、目に見えない「なにか」のことを、一般的に私たちは「こころ」と呼んでいます

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2009年11月26日

オーソモレキュラーって何?

先週のサブ記事も代替療法についての話題でしたが、今週もその手の話題になってしまいました。

http://www.jiheisho.org/dan/index.html
DAN!(Defeat Autism Now!)

日本オーソモレキュラー医学会というところが、自閉症を対象にした大々的なキャンペーンを始めようとしているようです。

直近のキャンペーンとしては、こんどの日曜日、11月29日に、札幌でセミナーをやるそうです。
まあそれだけだとよくある代替療法の宣伝活動なのですが、このセミナーを札幌市の教育委員会が後援して(しまって)いるらしい、ということが話題になっています。
(ちなみに、このセミナーの告知ページに、自閉症の人のことを「患者」と平然と書いてあるのを見てちょっと慄然としますが)

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2009年11月23日

ライブ・自閉症の認知システム (1)

このシリーズ記事は、先日(といってももう5か月たちますが)、石川にて行なわせていただいた2時間の講演の内容を、ダイジェストかつ再構成してお届けするものです。

page01.gif
Slide 1 : 表紙

この講演では、内容が比較的高度なものになることが予想されたため、かなり詳細に準備を行ない、話す内容もスクリプト原稿としてすべて書き下ろして臨みました。その原稿の内容が、現時点での私の自閉症という障害についての考え方をコンパクトにまとめたものになっていると感じたので、今回、その原稿をベースにシリーズ記事を書き起こしてみることにしました。
なお、内容についてのすべての責任および権利は私にありますので、この内容について、いしかわTEACCH研その他私以外のところへのお問い合わせは絶対にやめてください。また、当日用意した原稿をかなり思い切って再編していますので、当該講演の内容との同一性や整合性についての保証も一切ないことをご了承ください。

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2009年11月19日

ホメオパシーが自閉症を明確にターゲットにしています。

既にあちこちで何度も取り上げられている話題で、当ブログでもコメント欄等で話題にのぼったことがありましたが、ホメオパシージャパンにこんな記事がアップされていたので、ちょっと問題提起としてご紹介します。

http://www.homoeopathy.co.jp/sinchyaku_new/image/081116kyoiku_2.jpg
「教育医事新聞」の記事だそうです。

どこから見ても広告企画のように見えますが、はっきりとそうは書いていないようですね。

そして注目すべきは、中段の「現在由井氏が力を入れているのが自閉症をはじめとする発達障害への対応である。」とあるとおり、日本におけるホメオパシーが「自閉症」を明確なターゲットにすえて活動を行なっている、ということです。

ホメオパシーは、平たく言えば「砂糖玉をなめると万病が治る」という療法ですが、科学的根拠の見出されたことのないプラシーボ療法であることは明らかなので、改めて論じません。
たとえば、こちらに詳しい解説がありますのでぜひ参照してください。

引用部分では発達障害への「対応」になっていますが、本文の別の部分では「治癒」とも書いてありますし、同じく日本ホメオパシー医学協会のリンクから見られる以下の講演録では、
http://www.jphma.org/topics/topics_38.html
■第2回ホメオパシー医学国際シンポジウム in Kyoto 「なぜ、こんなにも自閉、多動、てんかんなどが増えたのか」

由井会長の講演は、「ホメオパシーによる発達障害治癒への応用症例」というテーマで、7ケースの症例を発表され、発達障害の子供たちが治っていく過程をDVDで目の当たりに見られる内容でした。事実、子供たちが治っていく姿を見て、感動が湧き起こり、心に響きました。

と、はっきりと「発達障害の子供たちが『治っていく」と書いてあります。
具体的にこの人がどう語ったかは分かりませんが、こういうのって、医事法・薬事法違反にならないのか、不思議に思えるんですが、そのあたりはどうなんでしょうか。

ともあれ、科学的根拠のないホメオパシー療法が、わらにもすがりたい気持ちの親御さんをターゲットにして活動を拡大しつつある、ということは心にとどめておいたほうがいいでしょう。
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2009年11月16日

そらまめ式電子タイマー・マルチランプ64の話題(6)(オプション編その1)

自閉症児の時間の構造化・視覚支援のための、LED(発光ダイオード)を使ったオリジナル電子タイマー、「そらまめ式電子タイマー・マルチランプ64」についてのシリーズ記事です。(タイマー名を決めたのでタイトルを変えました)
この記事でとりあげている電子タイマーの「製作キット」を、ご希望の方にお配りしています。興味をもってくださった方は、ぜひそちらもご覧ください。


↑このシリーズ記事でとりあげている自作の電子タイマーです。(動画は古いもので、現在のキットはこれよりはるかに機能豊富になっています。)

電子タイマー頒布案内
↑この電子タイマーの回路図等の情報と、「製作キット」の頒布についての情報はこちらです。

このタイマーには、非常に多くの「カスタマイズオプション」を用意しました。
実際に使うときのニーズにできるだけ対応できるよう、動作にできるだけ多様性を持たせようとした結果です。
たとえばランプの点灯パターンについては、単純計算で16通り(LEDの点滅のありなし、デジタル表示のありなしを含むとさらに増えます)のさまざまなパターンを選ぶことができます

settei5.jpg
↑点滅しているランプが、上から下に落ちてくる(そして下にたまっていく)、ちょっと面白い「砂時計モード」

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2009年11月10日

TEACCH部の危機について

Twitterでのafcpさんのつぶやきで初めて知りました。

http://tomokoworkdiary.sagafan.jp/e155502.html
TEACCH部の憂鬱~パート1

こちらの情報によると、いまノースカロライナ州のTEACCH部が存亡の危機にあるそうです。
CIDDは、8~9月にかけて、突然、TEACCHの長年の運営スタッフの半分を解雇しました。その中には、多くの日本人がお世話になった有名なスタッフもいます(個人名は伏せます)。そして、TEACCH部に入ってきている予算も別のところに流すようになったのだそうです。また、現時点では、CIDDは、夏の5デイトレーニングも一部のセンターでは実施しないことと、なんと、35年近くも続いてきた自閉症最前線情報の集約するメイカンファレンスも中止としています。その全部の決定について、TEACCH部部長であるメジボブ教授に相談無く行われたとのことです。現在、CIDDは、TEACCH部部長職も失くそうとしています。

素晴らしい支援プログラムがつぶされそうになっているということに対して心痛むということもありますが、逆の視点からは、どんなに評価されていても、こういった福祉・支援システムというのは政治からの力に本当に弱いなあ、ということも痛感します。
TEACCHは「特定の地域に根ざした包括的な支援プログラム」であるがゆえに、その「地域」(の勢力)から政治的に圧力をかけられると脆いということなのかもしれません。(ABAや絵カード療育などに比べると、特にそう感じます。)

ともあれ、これからTEACCHがどうなっていくのか、見守っていきたいと思います。


(上記の本のレビュー , ,
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2009年11月09日

あたし研究(ブックレビュー)

面白くて、ためになる当事者本です。



あたし研究 -自閉症スペクトラム~小道モコの場合
著:小道モコ
クリエイツかもがわ

1 あくまでも私のイメージ
2 慣用句に弱いワケ
3 ちょっと待ってて
4 方向感覚
5 見えないモノはないもの!?
6 ならべる
7 あこがれの優先席
8 体の把握
9 服との格闘
10 マニュアル操作
11 学校はjungleのようでした
12 いじめって何?
13 私を救ったにゃんころりん
14 自分という器
15 特訓の成果

自閉症スペクトラムの人が自ら障害について語る「当事者本」というのは、なかなか難しいものだなあ、と最近思います。

そもそも、「当事者本」の魅力とは、何でしょうか?

「当事者以外の第三者には書けないこと」にこそ魅力の源泉があるはずだ、と考えればすぐに分かるとおり、当事者本の魅力とは、

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2009年11月06日

あきちゃんの99の魔法のポケット

少し前にニュースが出ていて気になっていた、東京大学とソフトバンクモバイルの共同プロジェクト、「障がい児のための学習支援・あきちゃんの魔法のポケットプロジェクト」の最初の成果物が出てきました。

http://at2ed.jp/sbm/
障がいのある子どもたちのための携帯電話を利用した学習支援マニュアルの公開について


このプロジェクトは、携帯電話を活用して、障害をもった子どもを支援し、社会参加の促進を目指そうというもので、上記リンクから、学習支援マニュアル(現在は初版)がダウンロードできるようになっています。

「マニュアル」とありますが、実際には特別支援教育等への携帯電話の活用アイデア集、提案集といった印象が強く、まだ体系だったものになっているとはいえない印象です。
また、基本的には携帯電話を自ら使えるようなある程度知的水準の高いお子さんを念頭においていることにも留意する必要がありそうです。

自閉症と関連がありそうな記述としては、下記のようなものがありました。
長いですけど引用しておきます。

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posted by そらパパ at 23:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 療育一般 | 更新情報をチェックする

2009年11月05日

アメリカン・カジュアルゲーム

また療育とは関係ない話題ですが、ちょっと楽しい話題についてです。

最近、アメリカ製のカジュアルゲームにちょっとはまっています。

カジュアルゲームというのは、短い時間で気軽に遊べるゲームのことで、複雑で時間のかかる「ハードコアゲーム」の対極に位置するものですが、ここではあえて、「カジュアルゲームサイトだけで配布されているオリジナルゲーム」をカジュアルゲームと定義したいと思います。

ハードコアゲームでも日本の存在感の低下が著しいと言われますが、今回遊んでみて、カジュアルゲームも海外のほうが一枚も二枚も上手だということを痛感させられました。独自の進化をとげたアメリカン・カジュアルゲームは、値段も安いうえに、子供だまし的な要素がなく、大人がじっくり楽しむことができます
英語だと敷居が高いように感じられますが、日本語訳されたものがたくさんあるので問題なしです。

というわけで、今回はアメリカのカジュアルゲームを取り扱っているサイトと、そこで遊べるゲームについて書いてみたいと思います。(ちなみに、今回、記事中にアフィリエイトはありません→その後、IDが発行されたようなので、一応アフィリエイトにしてみます。ご利用いただく方には何の影響もありませんのでご安心ください。


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2009年11月02日

そらまめ式電子タイマー・マルチランプ64の話題(5)(製作編その1)

自閉症児の時間の構造化・視覚支援のための、LED(発光ダイオード)を使ったオリジナル電子タイマー、「そらまめ式電子タイマー・マルチランプ64」についてのシリーズ記事です。(タイマー名を決めたのでタイトルを変えました)
この記事でとりあげている電子タイマーの「製作キット」を、ご希望の方にお配りしています。興味をもってくださった方は、ぜひそちらもご覧ください。


↑このシリーズ記事でとりあげている自作の電子タイマーです。(動画が古いので実際の機能はだいぶ変わっています)

電子タイマー頒布案内
↑この電子タイマーの回路図等の情報と、「製作キット」の頒布についての情報はこちらです。

今回は、この製作キットにご興味をお持ちの方に役立つよう、このキットの実際の製作のプロセスについて書いてみたいと思います。
といっても、ただ手順を追いかけるだけだと、既に公開している「製作マニュアル」と同じになってしまいますので、手順そのものは製作マニュアルに譲ることにして、マニュアルで十分に触れられなかった、プラスアルファの話題を中心に書いていきたいと思います。

まず最初に。
このシリーズ記事で掲載している写真は、基本的にどれも電子タイマーの「表側」、つまり電池とかLEDとかが乗っている側ばかりが写っていますが、「製作」ということでいえば、実は「裏側」のほうがずっと重要です。
それは、裏側の写真を見れば一発で分かります。

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posted by そらパパ at 21:49| Comment(0) | TrackBack(0) | オリジナル教材 | 更新情報をチェックする
子どもが自閉症かもしれない!どうしよう!という親御さんへのアドバイスはこちら
孫が自閉症らしい、どうしたら?という祖父母の方へのアドバイスはこちら

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←時間の構造化に役立つ電子タイマー製作キットです。
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自閉症関連のブックレビューも多数掲載しています。

花風社・浅見淳子社長との経緯についてはこちらでまとめています。